2013年のブレンヌス盾はカストル

トップ14:カストルはエヴェレストを登った!20年ぶりの優勝。

すごい。本当にすごい。一番のすごさはラビット監督(Laurent Labit)とトラヴェル監督(Laurent Travers)の影響だと思います。来年ラシング・メトロ92のコーチになるのに、彼らは厳しく仕事を続けた、だからこのチームと優勝出来た。

このチームはスターはいません。すべての選手がトゥーロンの選手より個人個人では弱いです。それがチームの力になると強くなります。さらには相手によって戦い方を変えてくるカストルの戦略でハイネケンカップやイングランドのプレミアシップのファイナリストを破った偉大なトゥーロンにも勝つことができた。

トゥーロン相手にどういう戦略をとったのか?

この試合は非常に混戦で、あまりたくさんのプレーがなかった。両チーム集中していたが大事な場面でちょっと硬くなっていた感じがある。こういう大切な試合ではいつも、フォワードがすべてを決める。

トゥーロンはパワーがあり、体の大きな選手が多く、普通フォワードが優位にスクラムやラックをする。そしてそのパワーでディフェンスを疲れさせていく。しかし、カストルのフォワードは非常に賢いプレーをし、スクラムやラックを得意とするトゥーロンに対して、引けを取らなかった。
ラインアウトではトゥーロンにうまくボールが渡らないように(うまく渡ってしまうとモールなどで押し込まれる危険があるので)カストルはうまく防いだ。

サンソン選手(Christophe Samson、LO、フランス代表)が言うように、戦略は非常に大切だった。コーチたちにすごく感謝している。私たちはビデオでたくさん分析し、トゥーロンとのゲームについて話し合いを十分にした。

最後にディフェンスは点差を守るためにプレッシャーをかけてトゥーロンが進むのを防いだ。35分間トゥーロンはディフェンスを破ろうとしたが、カストルの結束の強さでトライすることはできなかった(最後にアーミテージ選手のトライは別で)。

コンディション的に優位だったか?

確かにカストルは疲れているトゥーロンにつけこんだ。ハイネケンカップでの大試合での疲れや、怪我(ヘイマン選手(プロップ、Karl Hayman)やケネディ選手(LO、Nick Kennedy)はハイネケンカップで怪我をしてトゥールーズ戦は欠場、カストル戦では出場したもののコンディションは十分ではなかった。)でコンディションはいいものではなかった。

トゥールーズのノヴェス監督(Guy Novès)が言うように、「トゥーロンとの違いは、カストルはトゥーロンのようにチームの12人がインターナショナルのメンバーでシーズンの半分いないということはない。トゥーロンやクレルモンのようにシーズン中に2つの大会に出ることもない。だから練習もできるし、体調を整えることも簡単だ。私はトゥールーズでゲームしたいというフランスの代表選手の入籍を断った。」カストルはチームプレーが素晴らしい、一緒に練習する時間が長いことを感じさせる。

さらに今回ウィルキンソン選手(Wilkinson)のキックはいつもよりよくなかった。対するタレス選手(Talès)は素晴らしい試合だった。それで72分と75分ドロップで重要な点を取った。

しかしひとつ大事なことを忘れている。それはお金の問題だ。カストルはトップ14の中で9番目の予算と言っているが、カストルのスポンサーは10億ユーロ以上の売り上げを持つ薬品会社のピエール・ファーブルなのだ。トゥーロンの方がお金があると考えるのは間違いだろう。というのも主なトゥーロンのスポンサーソレイユ・プロデュクション(会社社長でトゥーロンのチームの元社長ムラッド・ブドジェラル氏)は4千万ユーロの売り上げしかないのだ。この社長のラグビーに対する熱意でクラブに多くのお金を入れている。つまりカストルの社長がその気になればスターがいっぱいのチームを作ることができ、予算もトップ14で一番になりうる。

カストルそしてコーチ、2013年のブレンヌス盾おめでとう、ブラボー!

そして今は?

フランス代表チームの時間です!カストルの5人、サンソン選手(Christophe Samson、LO)、クラーセン選手(Anthonie Claassen、FL/N8)、ドゥラン選手(Brice Dulin、FB)、タレス選手(Rémi Talès、SO)、アンドリュー選手(Marc Andreu、WTB)、とトゥーロンの4人、ミシャラク選手(Frédéric Michalak、SH)、メルモズ選手(Maxime Mermoz、CTB)、バスタロ選手(Mathieu Bastareaud、CTB)、パリソン選手(Alexis Palisson、WTB/FB)は試合のすぐの後フランス代表に合流するためニュージーランドへ発った。今回に限り、ニュージーランドの選手もフランスとのテストマッチの8日前にスーパー15の試合があるので、フランス代表と同様、いやそれ以上に疲れているかもしれない。

トップ14:カストルはエヴェレストを登った!20年ぶりの優勝。」への2件のフィードバック

  1. ちょっとしたご縁でここ数年来カストルを応援しており、決勝戦見に行きました。記事にしていただいたのがうれしくてコメントすることにしました。

    おそらくTop14の中でカストルが一番知られていない街ではないかという気がするのです。おまけにトゥールーズから車で1時間という場所にあることもあり、近辺のサポーターは断トツに強いトゥールーズがもっていってしまいます。カリスマ性のあるチームでは全くありません。

    シーズン中の試合でのテレビのコメンテーターも明らかにスルーしてます。スポンサーは確かに大企業のピエール・ファーブルですがその他の収入が少ないので、決して恵まれているとはいえません。しかしそんな風潮が逆にチームの絆を強くしたのかなという気がします。

    確かに決勝でのカストルのコンディションがトゥーロンに対し有利だったことは確かですが、決勝に進むには一年を通してよい成績を残さないといけません。スター選手がいなくとも良い監督がいれば強いチームが作れるお手本のようなチームだと思います。但し、来年は両監督がラシングに行くことですし、あまり期待はできないと思いますが。

    日本もこんなチームをお手本にするとワールドカップでももう少し期待できるようになるかと思います。

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    1. いいコメントありがとうございます!
      私も二人の監督がいないし、トップレベルの選手がすくないし、ハイネケンカップの試合があるし、本当に厳しいシーズンになると思う。でも、ピエール・ファーブルがお金を出せば全然違うかもれません。

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