1. ラックって何?
ラック(ENG : ruck, FR : ruck, regroupement) があるとブレイクダウン (ENG : breakdown, FR : なし)となる。ラックによってゲームのフェーズ(ENG : phase, FR: phase, temps de jeu) が終わる。たとえばラインアウトからボールが入ってラックを2回したとする、このとき3つのフェーズがあったといえる。
ボールが地面にあるとすぐに、ラックを作る。そして後ろから2人のプレーヤーがぶつかって、押す。彼らは手でボールを触ってはいけない、押してボールを手に入れる。(足では触っても良い)
ラックは常にタックルした人かされた人または両方が下にいるわけだから、そういう面で複雑である。
ラックが作られるとすぐ、オフサイド(ENG: offside, FR: hors-jeu) のラインができる。ディフェンスはラックの最後の人の足より後ろにいなければならない。
同時にゲインライン(ENG : advantage line, gain line, FR: ligne d’avantage) も存在する。そのラインはボールのある位置である。ラックに加わる時は、すでにラックを押している仲間が作る、ドア(イメージ)のなかに入っていかなければならない。つまり横から押したりしてはいけなくて、後ろから押すということである。
2. ラックの時のよくあるミス
よくあるミス:
- 両足で立っていなければいけない。(ひざなどがついていてはだめ)
- 横から押してはいけない。
- ラックを形成している人がボールを拾ってはいけない。(赤い選手のミスからペナルティ)
- 地面に倒れている人がボールを抱えてはなさないのはいけない。
- タックルしたほうの人がラックの中にいてはいけない。
- ボールが外に出るのを邪魔してはいけない。
3. ラグビーでラックは大切
現在のゲームではラックはもっとも大事なアクションである。スクラムやラインアウトの練習をするが、大事なラックの練習はおろそかになり気味である。
だいたい1試合、スクラム20回、ラインアウト20回でラックは100回にものぼる。
タックルがあると一般的にはまずラックがある。このフェーズを完璧にこなせると次につながる可能性が大いに出てくるのである。
ラックを中心にして、ディフェンスを作るし、有効な攻撃も形もラックに対してどう位置するかで決まってくる。それほどラックとラックを中心にしたゲームの位置取りは重要である。
4. ラックのオフェンステクニック
段階1:衝突、コンタクト
基本は、ディフェンスの中でも立って進んでパスをすると言うのがもっとも理想的だ。
しかし試合の中ではディフェンスによって止められ、ラックが引き起こされる。いくつかのチームでは他のプレー(ラインアウトやスクラム)より複雑で技術的なラックを重視している。
まずはじめにボールを持ったプレーヤーがディフェンスのラインと接触する。
ここで2つの教えと2つのテクニックがある:
- 1つ目は古くから存在するもので、肉体のぶつかり合いで人対人の戦いです。気合と力強さ、スピードをもってディフェンスを不安定にさせるために正面から衝突する。
- 2つ目は直接ぶつかるのを回避します。もしディフェンスがたくさんいても、できるだけディフェンスとディフェンスの間を抜けようとします。正面衝突を避けるわけです。
回避テクニックはプレーヤーの体力消費を軽減させます。体へのストレスも少なくてすみます。
今日のラグビーではこの2つのテクニックが存在します。しかし2つ目のテクニックを多く使うようです。どうしても避けようがない時に1つ目のテクニックを使います。実際、回避テクニックは次のことを簡単にします:
- 腕を自由にします。腕が自由になることは重要なことです。なぜならこれによってパスなどが確実にできるからです。
- ディフェンスを固定する。正面衝突ではタックルした人は衝撃を受け、タックルされた人と一緒に地面に倒れる。その後、ディフェンス側の他のプレーヤーはすぐにボールを拾うことができる。逆に回避テクニックでは2人のディフェンスの間を通ろうとすると、2人からタックルされ、3人が地面に倒れる。すると、3番目のディフェンスがボールを拾いにくるが、隣にいなかったり、タックルした2人が邪魔になり、遅れが生じる。3番目がきた時には普通すでにオフェンスのサポートが入っているのである。
- 肩で相手を止めるのではなく腕になるため、ディフェンスが難しくなる。回避テクニックを使うと、まれにディフェンスラインを割ることも可能になる。肩でがっちりタックルされなければ、パワーで進むことも可能になってくる。つまりタックルのテクニックも上げる必要が出てくるが。
しかし衝突の基本テクニックがある。正面でも回避でも同様です:
- 押す態勢で体は体幹のときのように堅く保つ。
- ボールを持つ側を選択する。
- ボールを守る。
- 攻撃の態勢をとる。
- 衝突の側も次のプレーにつながるように選択する。
段階2:地面にいる時の姿勢
ボールを守っている時は次に前に進めるようにすることが重要です。プレーヤーが地面にいる時、その姿勢が重要です。
ボールを自由にするのにするときのポイントは:
- サポートに来たプレーヤーのアクションを容易にする。
- ボールが速く外に出るのを容易にする。
実際、地面での姿勢はサポートと深くつながりがある。クオリティとオーバー(クリーンアウト)のタイミングはラックの流れを引き立てる。
しかし、地面で、プレーヤーはディフェンスからボールを遠ざけ、ボールを保護して、外に出せるようすべてを行わなければならない。地面でこの動きを早く正確に行うために、機敏な反応をしなければならない。
以上のようなポイントのほかに、地面でボールを保護したまま早くゲインラインを見方側に動かし、オフサイドのゾーンを広げることも重要です。ディフェンスのタックルのコンタクトがあるとすぐ、ボールを持っているプレーヤーは準備し始めます。ボールを持っているプレーヤーとサポートのプレーヤーのつながりはコミュニケーションによって強まります。大切なコミュニケーションは :
- ゲームの流れ(右、左)
- 後ろのサポートプレーヤーの具合によって、すぐ地面に倒れるのか、倒れないようにたって我慢するかのタイミング(まだまだ、グランド)
- タックルの後、すぐパスをするのか、ボールが地面であれば、ゲームが続けられるようにディフェンスから遠ざけることなど
段階3:サポート
地面のプレーヤーはサポートとつながっている。常にタックルされたプレーヤーにサポートはコミュニケーションをしなければならない。
タックルによって周りが見えなくなっているプレーヤーに対してサポートが導かなければならない。
サポートはゲーム全体をみて、オーバー(クリーンアウト)だけでなく次のアクションに続くポジショニングもする。
サポートはハーフがいない時、そこからピックアンドゴーするか、パスするかのイニシアチブをとらなければならない。第1サポートでない場合は、ラックに入るか、ディフェンスを固定させる役目になるかである。
2つのタイプの位置決め:
- 横のサポート。このサポートはタックルの後のゲームとディフェンスを留めるためです。
そして次につなぐパスを早く出す役割も担います。
- 軸のサポート。このサポートはオーバー(クリーンアウト)のためです。しかしピックアンドゴーをすることもできます。
細かいポイントを付け加えるなら、コンタクト(タックル)-ボールをフリーにする-サポート(オーバー)-ゲームサポートの関係です。サポートを2人にすることでゲームを簡単にしレフリーの視野を良くさせる 。またディフェンスが邪魔するのが難しくなります。
サポートは普通、9番がボールを出しやすいように通常ラックをオーバーするために入る2人のプレーヤーで構成する。
つまりこのシステムは3人のプレーヤーのブロックのように考える。
このテクニックではオーバーの方法にちょっとした変更がある。もしボールが完全にフリーならはじめのサポートはボールの軸方向でオーバーして、ボールを保護する形をとる。次のサポートがゲームの中で可能性(ピックアンドゴーかパスかなど)をみる:
- ボールを拾ってピックアンドゴーで再出発
- 2つ目のブロックが準備できていない時は、補強のために最初のサポートの軸方向でボールを保護するために入る
- 2番目のサポートが次のブロックにパスを出すと、9番は早く次につなぐアクションができる
下のちょっとしたテクニックはいくつかの利点がある:
- もしディフェンスがボールをとったり、動かないようにしたとき、これはオフサイドとなる、審判するのが簡単で分りやすい。
- ラックに人をたくさん投入しないが、近くで待機していることで、すぐにラックに入ることができる。
- 難点はプレーヤーがこれを身につけるのに、たくさん練習を重ね、さらに試合中頭を良く働かせなければならない。